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木村睦研究員グループによるニューロモルフィックシステムに関する研究論文がIEEE※1の国際ジャーナルに掲載

2022.11.01

革新的材料・プロセス研究センターでは、

①環境・自然に配慮した持続的な社会の発展に供し、なおかつ国際的に通用する高いレベルの材料科学研究の推進(知の創造)

②学術的な知見や事業化につながる研究シーズを創出し、社会に貢献する事(知の活用)

③若手研究者、学生を育成し、社会に貢献する事(知の継承)

という3つの目的を掲げ日々研究活動を推進しています。

 この度革新的材料・プロセス研究センターの木村睦研究員のグループの岩城江津子さん(本学理工学研究科・修士2年)らによる、アモルファス金属酸化物半導体薄膜のニューロモルフィックシステムへの実装に関する研究論文がIEEE※1の国際ジャーナルに掲載されました。

Multilayer Crossbar Array of Amorphous Metal-Oxide Semiconductor Thin Films for Neuromorphic Systems | IEEE Journals & Magazine | IEEE Xplore

 この実験を行い、論文の筆頭著者である岩城さんは、大型コンピュータが必要とする多大な集積回路(LSI)と同等の機能を1チップ化する事が可能となる手法を発見し、これが認められ、論文掲載となりました。

 ニューロモルフィックシステムは、現在大型コンピュータ(サーバー)の「人工知能全般」の用途として「文字の読み取り、音声聞き取り、画像認識、文章作成、会話」などに使用され始めています。

 これによって、私たちの周りにあるモバイルデバイス(PC、スマホ、機能付きの時計、眼鏡など)に、人工知能が搭載できるようになり、インターネットを通じて大型コンピュータに接続することなく、人工知能を使うことが可能になります。つまり通信をつながなくても人工知能を使えるようになることで、通信に遅れが生じることなく、リアルタイムの高速処理が可能となるのです。また、チップ化されることで、個人がカスタマイズされた専用の人工知能を持つことができるようになり、ますます身近に人工知能を利用することができる時代が到来する可能性があります。

革新的材料・プロセス研究センターでは、このように「つかう」という視点にたった「ものづくり」に取り組み、私たちのこれからの未来に、省エネルギー・省資源という観点から材料を創出する革新的な設計と製造プロセスを構築する研究を行うと同時に、持続可能な循環型社会に「もどす」という視点にたったリユースプロセスの研究にも力を入れています。

 

 今後も「持続可能な社会形成」に貢献できる材料開発を目指して研究を進めていきます。

※1IEEE は “アイ・トリプル・イー” と読み、Institute of Electrical and Electronics Engineers の略
世界160か国以上、40万人を超える会員からなる専門家組織